
【前回までのあらすじ】
めまい(?)…なのか突然、車の運転が出来ない身体になってしまったコルクさんは、仕事を休み、耳鼻咽喉科へ受診することにした…。
1200円程で着いた…。
中に入ると、子供と母親という構造がずらり…。
紙を渡され症状などを記入していると、名前の横辺りに男か女か丸をつける欄がある…。
コルクさんはどうみても女にはみえない…。
あえて、どちらにも丸をつけないでおいてみた(好奇心である)が、そのことについて触れられることは無かった。
以前、どこだったかで、身長、体重を自己申告で書かされたことがあった。
コルクさんは162センチと小柄なのだが、175センチと願望を書いてみた…。
これは見た目ですぐに分かるはずだが、その時も何も言われなかった…。
おそらく…誰もみてないんだろう…そんな所は。
そんなことを回想していると、30分程経ち、コルクさんが呼ばれた!
先生に、昨日からの事を簡単に説明すると「ああ、去年と同じような感じかな」と言われる。
コルクさんは去年もここへ来た、その数日後症状が悪化し、夜間の救急(別の病院)へ行った記憶がある…。
その時は、良性発作性頭位めまい症と、診断された時だった(この時の話はいずれ改めて)。
ちょっと焦るコルクさん(; ・`д・´)、何故なら…その時と症状が全然違うのだ!
「いや、先生ぇ~何か違うんだけど…(聞いてないなコイツ・怒!)、車に乗れないんですよ、車にのると…」と訴えるコルクさんであったが、「めまいの時は運転は危ないから気をつけて、出勤はご家族の方にでも協力してもらって…」などと言われる…。
「気を付けて運転できるなら、ここへは来てないし(T_T)…ご家族の協力って…コルクさんは一人暮らしだし…」
ブツブツと、心の中でつぶやいているうちに「お薬だしときまーす、一週間程様子見てくださーい」。
あら、終わっちゃった( ;∀;)…。
帰りのタクシー内「大丈夫かなぁ」と、不安に駆られるコルクさんを、ラジオの音楽が優しく癒すのであった……。
「あっ、銀行よってもらえます?」
翌日、翌々日とどんどん体調が悪くなってくる…。
クラクラするは咳は止まらない、熱っぽいダルさもあれば、食欲不振、止まらない汗、いつものことながら足が臭い…。
当然仕事など行けるわけもなく休む…(@_@)
もう、どーにもならないことになってしまっているコルクさん…。
「ダメだ…寝てよ(*_*)」と体を休める…。
ちなみにコルクさんは、少々熱っぽい位では、体温は測りません!
理由は二つ、熱があると確認してしまうと、余計に体調が悪くなりそうな気がする…、というのが一つ目、二つ目は、そもそも体温計を持っていない。
起きると少し元気になる。
何か出来ることは無いかと『めまい体操』をする(これは以前のめまいに効果的だった)。
多少気持ち悪くなるが、めまいの時は、できる範囲で体操をしたほうが良い、と書いてあったのでそうしているのだが…。
夕方は、少し動けるようになる為、近所を散歩する。
いつフラフラしてもいいように、何とか帰れるくらいの範囲を、体調に合わせたペースで、歩くコルクさん。
不思議なことに、動けない時ほど運動しなければ、と思ってしまう…。
体にしたがい寝ていればいいのもを…、運動は体や健康にとって大切!…とはいっても時と場合があるでしょう…。
もう…、すぐに疲れてしまう…。
学校帰りで、ちょろちょろ走ってくる小学生達にも追い越されて行く…。
追い越し際にコルクさんの顔を見ていく…(本気を出せばコルクさんの方が速い!)。
微妙に足も痛い…。
ぎこちない歩き方で散歩する、青白いコルクさんの顔を、夕陽は真っ赤に染めるのであった…。
「明日からはサンダルではなく靴にしよ…」
耳鼻咽喉科を受診して、三日目の出来事だった。
相変わらずの、寝たり起きたりで日中を過ごし(所々めまい体操を含む)、夕方から夜に差し掛かる頃に、散歩に出るコルクさん。
この日はコースを変え、最寄りの駅にむかった。
ちょっと長い距離を歩いてみようと、企んだのである。
天気は良くない…曇っている…。
少し前に雨が降ったようで、乾きかけているアスファルト、残暑まだまだ蒸し暑い…。
歩いて12~13分程のところに駅はある。
駅に近づいた頃、少しフラつき…というかフワフワしている感じが強くなってきた。
ここは無理をせず座ろう…と駅のベンチに座る事間もなく、一瞬クラッとしたかと思うと、全身から大量の汗が噴き出してきた!
確かに気温として蒸し暑さはあったが、それでかく汗とはケタ違い!
あっという間に全身グッショリ、とにかく顔が熱く、頭からの汗が尋常ではない!
動悸もする!
とても立ち上がれない…。
15分程座っていただろうか、少し落ち着いてきた。
部活終わりだろうか、電車から降りてくる高校生達が、駐輪所から自転車に乗り、それぞれが帰っていく姿を眺めているコルクさん…。
タクシーに乗ろうか…とも思ったが、そこそこ回復してきたように思えたので、歩いて帰ることを選択する、チャレンジ精神旺盛なコルクさん!
「そうと決まればまず水分!」
ここで脱水を懸念するコルクさんは、さすがである!
駅の自動販売機でペットボトルの水を買い、三分の一程度飲み、帰り道を歩き出す。
汗が噴き出してくる熱くなった顔…。
頭にペットボトルをくっつけて、少しでも冷やしながらテクテク歩くコルクさん、辺りはもう暗くなっている…。
5~6分歩いた頃、さすがに体はふらふらしてくる、見事に葉が大きく開いた蓮根畑に差し掛かった頃である。
グラっときたかと思うと、めまいがする!
瞬間、ガチッと電気が走ったような感じがあり、意識を失いそうになる!
失ってなるものかと頑張るコルクさんは、まともに真っ直ぐ歩けない!(サンダルから靴にかえておいて良かった!)
住家まで、もう2~3分という所で座り込みそうになる…。
今思えば、少し休んでも良かったのかもしれないが、この時は座ると立ち上がれなくなり、気を失ってしまいそうな気がした…。
翌朝、見るも無残な姿で、カラスにつつかれている所を、畑に行こうとしていたお婆さんに発見される…、ってな訳には、いかないのであるっ!
一刻も早く帰りたいのであるっ!
多量の発汗、動悸、息切れ、めまいに襲われる中、右へ左へヨロヨロと何とか歩き続ける…!
ペットボトルの水は残りわずか!
コルクさんの気力も残りわずか!…
必死の思いで、何とか住家に戻れたコルクさん…。
「ハア~」と長年お世話になっている、男臭ただよう布団に倒れこむのでありました…。
振り返った今だからこそ、この時の自分に伝えたい。
調子に乗るなっ!
布団に倒れ込み、一時間程すぎただろうか、21:30位だったと思うが、顔が熱く頭からの汗もひどくなっている。
身体全体が脈打っている感じ…。
このまま寝ていて大丈夫だろうか…。
人間とはこういう時、不安がよぎると、どんどん不安になってくるものである。
コルクさんもその一人、夜間なので近くの総合病院へ連絡してみる。
電話口の看護師さん「声を聴いていると、大丈夫そうな気もするんですが…」
「では明日の朝に行きましょうか?」と聞き返すコルクさん、これには看護師さんも、返事をしにくそうだ…「いつもと違うというのであれば…」と言われ、いつもがこんな状態の訳がないのでる。
救急車に乗って、ド派手に登場!…って程までではないコルクさんは、タクシーで病院の救急へ向かうことに…。
1000円程で着いた。
気を利かせてくれた運転手さんが、『夜間入り口』と書いてあるドアの、すぐ横で降ろしてくれた。
「すみませーん、先ほどお電話しましたコルクさんと申しまーす」
【次回予告】
夜間救急から、更に病院を紹介されるコルクさん、そこはめまい専門の科がある病院だった。
そこで出された診断は『耳管開放症』という聞きなれないものであった…。
『耳管開放症』とは、一体どういうものなのか…。
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