【前回までのあらすじ】
耳鼻咽喉科へ受診したが、体調の回復はみられないまま三日後、更に体調が悪化したことにより、夜間救急へ行く事になったコルクさん…。
血圧、体温、脈拍、パルスオキシメーターで酸素を測られ診察室の中へ、看護師さんに支えられながら,千鳥足で入っていくコルクさん。
「こちらへどうぞ、研修医の○○です。よろしくお願いします」と。
さっきまで、書店で立ち読みしてたような若い人が、白衣を着て座っている。
研修医…?「ああ、こちらこそお願いします」とクラクラする頭をペコリと下げ、四日前からの出来事を、自分でも驚くほど簡潔に話したコルクさん。
それを聞いていた研修医の○○さん「なるほど…そうですか…では先生を呼びますね」としばらくして先生登場!
再び事の成り行きを話すコルクさん。
不思議なワンクッションはあったものの、めまいを止める注射を打ってもらったりする。
先生が「コルクさん去年も、良性発作性頭位めまい症で来られてますねぇ、○○病院ご存じですか?めまい治療を専門にしている科があるので、そこでみてもらったらどうですか?」と勧めてくれた。
明日にでも行ってみることにしたコルクさんは、何があったのか?超ぉ~ご機嫌な運転手さんのタクシーに乗り込むのであった(一曲歌うなら聴きますよ…)。
耳管開放症!
翌日、早速病院に電話をしてみるコルクさん、めまい治療専門の科は木曜日しかやっていない、との返答であったため、5日程待たなくてはならなくなった。
その間も体調の回復はみられず、悪化する一方である。
大人しくしておけば良いものを、そんな中でもコルクさんの自我はじっとしてはいられないのだ。
車にも挑戦する!9:30を過ぎると、通勤時間が終わり、車が少なくなる。
その時間帯を見計らって、さあ出発!と意気込むものの…、違和感、クラクラ、頭からの汗、気持ち悪さは変わらない…。
以前行けなかった500メートル先のコンビニへは何とかたどり着くものの、身体はフーワフワのヒーラヒラ…気持ちが悪い!
飲み物と、おにぎりなどを買う。
レジでくじを引き、ペットボトルのジュースが当たる(ちょっとラッキー)、すぐに運転する気にはなれず、10分程待って落ち着いてから帰る。
2日程運転せずに、3日目に挑戦してみるが状態は変わらない、その間は必要に応じて歩いてコンビニまで行っていた。
そんな時、コンビニへ行こうと外へでるやいなや、グラッとくる、これは危ないとすぐさま引き返すコルクさん。
夕方もう一度コンビニへ向かうが、100メートル程歩いた辺りで同じ症状が…、すぐさま引き返す…、どうやら歩く事も困難になってしまったようだ”(-“”-)”(住家にいる時はそうでもないのだが)。
ようやく木曜日になった。
天が味方しているかのような快晴、8:00前にタクシーを呼び、病院へ向かうコルクさん。
人のよさそうな運転手さんが「ご出勤ですか?」と尋ねてくる…(病院勤務でタクシー出勤ともなれば大した地位と収入がありそうに思えるのは私だけだろうか?ぜひ味わってみたいものである)「いえ…、患者側です…ハイ((-_-;)…」。
8:30頃についた。
3000円程支払いタクシーを降りたコルクさん、何らかの違和感がある…。
一歩一歩歩く度に頭に振動が伝わるというか…クラクラするというか…、頭からの汗も相変わらずだ…。
とにかく病院内に入ったら、まず座ろうと思っていたコルクさんであったが、入り口から受付までは案外近かった。
受付で、丁寧な口調の女性にアレコレ説明を受けたコルクさん、言われた通りに向かった場所は内科だった。
内科の小窓のような所で、受付時にもらった紙を出す。
すぐにでも座りたいコルクさんは、辺りをキョロキョロするが、…座るところが無いっ(汗)!
天童よしみでも歌いに来るのではないか?と思ってしまうほど、長椅子を独占する人生の先輩方がズラリ…!
気のせいだろうか、元気そうな人ばかりに見えてしまう…。
少し歩く…、端っこの隅に一人分のスペースを見つけたっ!
逃してなるものかと、急いで電車の席を取りに行く、大量の荷物を抱えたおばさんのように座り込むコルクさん。
一件落着、ハンドタオルで汗だくの頭を拭うのであった…。
…(遠くの方で…私を呼ぶ声がする…、声が…だんだん近づいてくる…)
「はっ!」と看護師さんが呼んでいるのに気づいたコルクさん。
「はいっ!はいっ!私ですっ!コルクさんですっ!」
どうやら寝てしまっていたようである、時計を見るに20分程しかたっていなかった。
渡された体温計を素直に脇に挟むコルクさん、血圧を測り、ここへ来た経緯、状態などを話す。
頷きながら聞いたことを、持っている紙に記入する、愛想のいい看護師さん。
「では呼ばれるまでお待ちくださーい」とその場を後にする。
さらに待つこと15分、コルクさんは呼ばれた。
心電図をとると言われ、服を脱ぐように指示したのは、20歳そこそこの成りたてであろう看護師さん。
ちょっと照れながら(オッサンとて恥じらいはあるのだ)、もぞもぞ上着を脱ぎだすコルクさん。
冷めた目で状況を眺める看護師さん「あっ、ズボンはいいです、はーいこちらに寝てくださーい」と(照れる必要はなかったようだ…)。
顔を赤らめたコルクさんは、言われた通りに寝る。
線みたいなのを幾つかつけられ、息を吸ったり吐いたり…、その後も重心動揺検査、などいくつか行い検査室を出る。
さらに15分程待っただろうか、診察室に呼ばれたコルクさん。
中に入る、室内は案外狭く感じた。
椅子に座っている先生が、紙を呼んでいる。
斜め後ろにいた、マスクをしてほとんど顔の見えない看護師さんに誘導され、鞄を置いて丸椅子に座るコルクさん。
「え~それではコルクさんね、8月17日の夜に車を運転していると…」と先生が紙を見ながら経緯を確認する。
「はい、はい、そうです」と返事をするコルクさん。
すると先生が「ああ、なるほどね、自分の声が響いて聞こえませんか?頭を下げてみてください(座った状態で深くお辞儀をするような姿勢)、こうすると楽じゃないですか?…」など幾つかの質問を受けるコルクさん。
当てはまるものと、そうかなぁと思うもの、言われてみれば…なとど答えていると、「はい、分かりました。ジカンカイホウショウです、診断でました!」と言われたコルクさん。
「え?何て言いました?時間…?」
初めて聞く中華料理店のような響きに困惑するコルクさん。
「耳管です、耳管開放症といいます」と先生が耳管開放症と字を書いて説明してくれる。
簡単に言うと、耳の奥と鼻の奥をつないでいる管で、鼓膜の外側と内側の圧力を調整するための器官を『耳管』と言うらしい(見たことはないが、確かにありそうだ、そんな管が…)。
トンネルやエレベーターで鼓膜が圧迫されたような感じになり、唾をのみ込むと治る、という経験をしたことがある人も多いだろう、ああいう感じの話で…
耳管開放症とは『耳管が開きやすくなる』という事らしい。
それが原因で、耳が塞がった感じがしたり、自分の声が大きく響く、フワフワしためまいがしたり、音がずれて聞こえる、自分の出している音の大きさが分からない、耳の痛み、等々の症状が出る、と…。
血行不良でおこりやすい、とも言われるこの病状には、漢方が良いらしく『加味帰脾湯(カミキヒトウ)』を処方する、ということだ。
先生が言うには、この耳管開放症という症状は、耳鼻科では分からない事も多いらしい。
「後は自律神経も多少乱れているので…」と先生が話す。
多少どころではないだろう…、と思いながらも、車に乗れない事や、歩くと倒れそうになる、その他もろもろの症状について聞いてみるが、まずは漢方を二週間飲んで様子をみるように言われる。
診察室を後にするコルクさんを看護師さんが呼び止め紙を渡される。
「これ持って2階の耳鼻咽喉科へ行ってください」
「え”っ(汗)」…。
【次回予告】
耳管開放症で、漢方を飲み、療養するコルクさんが、電車で40分という距離にある、実家へ行く事になる…。
実家へ行くという事は、「ただでは済まない」という事を指していた…。
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